2015年11月6日
Netflixレビュー 002 ブレイキング・バッド
Breaking Bad /ブレイキング・バッド 2008~2013 シーズン数 5 完結
アメリカの連続ドラマ。シーズン5まで作成され、エピソード数は全62話。国内ではスーパー!ドラマTVおよびフジテレビNEXTで放送された。Netflixにおいて現在全エピソードが配信中。アメリカでの本放送時には最終回の視聴者数が1000万人を超えた作品としても有名で主演のブライアン・クランストンは本作において4年連続でエミー賞におけるベスト男優賞を受賞、同「作品賞」も2度受賞している。他にもゴールデングローブ賞や全米映画俳優組合賞など様々な受賞歴がある。
ネタバレは避けるが、大まかなあらすじとしては、主人公であるウォルターは高校の化学教師で50歳の誕生日の直後に肺ガンによる余命宣告を受ける。保険の適応外となる高額な治療費に加え、妻の予定外の妊娠と息子の高校卒業と進学、とにかく家計は大ピンチ。
そんな中、麻薬捜査官である義理の弟に誘われ「気晴らし」にと売人宅のガサ入れに同行し、その粗末な「麻薬生成ラボ」を目にし、自分ならもっと純度の高い製品を作れると考える。そして元教え子で現在はヤクの売人かつジャンキーでもあるジェシーと共謀し、合成麻薬の生成と販売に乗り出すも、当然ながら縄張りの問題や大きな組織との闘争に発展していく。
作品内容としてはシリアスな部類だが、この二人が実にポンコツコンビであり、時にコミカルな側面も見せる。真面目だけが取り柄の高校教師と、その授業で落第した元教え子で内面的には対象的な二人だが、共通点として暴力に対しては消極的で麻薬を巡る犯罪の渦中において様々な苦労を強いられる事になる。前述した通り、身内に麻薬捜査官がいるというのも内容を複雑かつ、面白い展開にしていく。
シーズン2から登場する趣味の悪いネクタイとシャツが特徴の悪徳弁護士「ソウル・グッドマン」が実にいいキャラクターで、後に彼を主人公としたスピンオフ作品「ベターコールソウル」も作成されこちらもNetflixオリジナルコンテンツとして視聴可能である。
主演のブライアン・クランストンは本作で目覚ましい功績を残した俳優ではあるが、キャリアは長く、様々な有名作品に「チョイ役」で出演している事も多い。有名ドコロで言えば「プライベート・ライアン」におけるマック大佐やハリウッド版「ゴジラ」における博士役など。
またコメディードラマ「マルコムインザミドル」で父親のハルとして6年に渡りメインキャストの一人を務めた。マルコムインザミドルにおいてもエミー賞へのノミネートこそ果たしたが受賞には至らず、本作においてその雪辱を晴らしたとも言える。本作においては抗癌剤の副作用としてスキンヘッドで役を演じているが、過去の回想シーンなどで髪の毛がフサフサでヒゲが無い姿だと、本当にもう「ハル」にしか見えない。
個人的な話をすれば「マルコムインザミドル」は大好きな作品で、国内で出回っていなかったサントラをカナダから取り寄せた程で、過去のPSU動画における私のネタの作り方はマルコムに多大な影響を受けていると言える。
所感
連続ドラマという事もあり、一話飛ばしただけでも内容が分からなくなる。そういう意味ではネット配信という媒体は「見逃し」が無い分気が楽だとも言える。シーズン5までというと凄く長いイメージだがシーズンあたりの話数は13話程度となっている。とは言え、洋ドラ特有の「引き」は健在で、毎回毎回、次が気になってしょうがない感じの終わり方を見せる。一日一話くらいのつもりで視聴していたら二話三話と連続で見ていたりする。そういう意味では強力な牽引力を持ったスリリングな作品に仕上がっている。特に最終シーズンは二転三転する状況から目が離せなくなる。
自分が高校生の頃は「生物」と「化学」が選択科目で自分は生物を選択していたので頻出する科学的な専門用語がサッパリすぎて「よく分からんが凄い」って気持ちにもなる。娯楽作品としては少しテーマが重いが、そういう作品が好きな人なら十分に楽しめる作品だと思う。
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