2017年4月9日

Netflixレビュー 009 漫画の実写化に物申す

久々ですがNetflixに関するレビュー。レビューというよりは「意見」、それもNetflixに関してではなく、「困ったら実写化する」という映像業界の現状への個人的な意見だ。日本のマンガを実写化するとコケる。これは日本が作ろうがハリウッドが作ろうが、概ねコケるのは近年の作品だけ見ても明らかである。




現在NETFLIXでいわゆる「新生バットマン」シリーズ、ビギンズから続く、ダークナイト、ライジングの3作品が視聴可能である。以前も配信されていたのだが、いつの間にか、恐らくは権利切れで姿を消していたが、先日から再配信されている。基本的にはシリアス路線の三作だが「ダークナイト」に関しては「ジョーカーさん」のせいでニコニコに慣れ親しんでいる人は「特定のシーン」で脊椎反射で笑ってしまう可能性があるので注意だ。本当は凄くシリアスなシーンだぞ。

日本のマンガは実写化すると大抵コケるが、DCコミックやMARVELコミック由来の作品群は娯楽作品として十分に楽しめる内容である事が多く、日本国内にもファンは多く、少なくとも、バットマンやスパイダーマン、アイアンマンなど近年の作品だけ見てもコケているイメージはない。


とは言え「混乱する要素」が無い訳ではない。バットマンもそうだが、近年であれば「二種類」のスパイダーマンが存在しているのは有名な話だろう。サム・ライミ監督のスパーダーマンシリーズで3作品、サム・ライミ監督の降板により、続編ではなく「リブート」として「アメイジング」が制作されるも当初3作の予定が2作目の時点で3の制作を中止。別タイトルとして「スパイダーマン ホームカミング」の公開が予定されている。

アメイジング・スパイダーマンの興行成績はサム・ライミ版に比べれば約半分と振るわない結果に終わったが、サム・ライミ版がそれだけ高い壁だったのも事実で、「映画」としての成績は決して悪い物ではなかった。3の作成中止の背景には「アメリカ人に受けなかった」という部分が大きいと言われている。それ以外にも「大人の事情」がちらほらと見え隠れする。

どちらかというと「アメイジング」の方が「原作」に沿った設定ではあるのだが、映像化不可能と言われていた作品を見事に映像化した際のインパクトの大きさでサム・ライミ版の与えた影響は大きかった。そういう意味ではアメリカの「コアなファン」「OTAKU」の称号を持つファンからすれば「面白かったけど原作と違うところが初見でも47は見つかった」と言われる程の改変はなされている。しかし、それがウケているのだから「現代版」とも言える「ローカライズ」は成功したとも言える部分だ。

そもそもスパイダーマンの原作は1961年の作品であり、熱心に原作の細部まで熟知しているような「一般層」は多くないのが本国における土壌の一つでもある。その為「現代版」において「改悪」された箇所は、ストレートに「改善」として受け止められ、原作よりもスパイダーマンっぽいと、高評価にも繋がったと言えなくもない。もちろん上で述べた通り、「忠実でない」実写化を嘆くオタクは少数は存在している。

それは日本国内でも同様で、熱心にDCコミックやMARVELコミックを熟読しているファンは多くはない。ゆえに大衆の多くは「実写化」という高いハードル部分を無視してストレートに娯楽作として楽しめる。


そういう意味で言えば「日本のマンガの実写化」において「成功」を収めた稀有な例も存在する。「孤独のグルメ」などはその最もたる一例であろう。これも漫画原作ではあるが、原作は96年~98年、刊行数は2冊と決して「ヒットした漫画」とは言えない題材だ。原作がマイナーゆえに「原作と違う」などという批判もなんのその。むしろ話数で言えばすでに原作を全て食いつぶして尚、シリーズは続いている。そういう意味では「孤独のグルメ」の実写化と言うよりは「井之頭五郎」の実写化として独自路線を行きつつも、好評を得ているシリーズだ。


そして「仮面ライダー」シリース。これも石ノ森章太郎原作の漫画の実写化である。原作として漫画のタイトルが付いているのは「仮面ライダー」「仮面ライダーアマゾン」「仮面ライダーBLACK」の3作品のみである。作者なき後もプロダクションが権利を管理し、原作:石ノ森章太郎の名で毎年のように新しいライダーが生まれてくる。そういう意味では原作なき実写化であり、比較対象が存在しない。

上記2作品、バットマンやスパイダーマンも含めて全てに共通する事柄は何か?そう。「見る側が満足に原作を知らない」という点である。実写の元となるアニメですら元は「ラノベ」である事も多く、「原作と違う点が」と指摘するファンも多いが、文庫本を読む層とアニメだけ見る層とでは分母が違いすぎるのも事実だろう。原作が「18禁のPCゲーム」という例も多く、原作では到達できない「ハッピーエンド」に路線を変更する例も存在するが、こちらもまた、いわゆる「原作厨」の分母が少ない為に大きく叩かれる事は少ない。


そういう意味では「アニメ化」に際しても細心の注意が必要であるのも事実で、特に「有名な作品」を妙に改変すると多くの原作ファンにフルボッコにされる。その点で言えば「ジョジョ」や「うしおととら」などは丁寧に描かれた作品であるといえる。ジョジョの実写化に関してはここではスルーしておく。近年の状況を見る限り、少々古い作品でも「丁寧に作る」事で高い評価を得られる傾向が強い。


木村拓哉主演で実写化された「無限の住人」。トレイラーを見ただけで「おいおい着物の柄が違うだろ」と突っ込んでしまうような人は見ない方がいいのだろう。基本的に「アフタヌーン原作」系の作品は「マイナー」とは行かないものの「凄くメジャー」かと言うと少しあやふやなラインだ。とは言え、もしかしたら海外では受けるかもしれない。そういう「海外展開」を視野に入れた「改悪」がこの着物だ。

「卍」が「万」の字に置き換えられているのは「欧米への配慮」以外の何物でもない。欧米人には「卍」と「鍵十字」ハーケンクロイツの判別がつかない。ご丁寧に卍が斜めになっているのもさらなる誤解を招く要因だろう。


アニメ版は原作に忠実にデザインされている。まぁ「アフタヌーン」由来の時点で内容的にはどうやっても血なまぐさい。近年の作品で言えば「シドニア」や「亜人」などが該当する。亜人に関しては原作との相違点も多く、いわゆる「配慮」によって少々展開が書き換えられている箇所も見られる。例えば・・・デカいビルに旅客機で突っ込むのは流石にアウトだろう。


話をNETFLIXに戻す。現在「特にひどい」と評判の実写版「DEVILMAN」と「進撃の巨人」の双方がNETFLIXで視聴可能である。そこまで酷いなら逆に見てみたくもなる。でもある意味「怖い」ので1人では見たくないな。進撃の方は2作品あるし6時間捨てる覚悟は中々につかない。

総括として「有名作品」を題材に実写化すると敵が増える。これは間違いないだろう。誰も原作を知らない、忘れているような作品であれば幾分は矛先を変えられるが、かと言ってクソはクソだという例も上の「DEVILMAN」が末永く語り草となるだろう。とはいえ、日本はマイナーな名作が埋もれたままになっているような国でもない。

そうだ、有名な実写映画やドラマをアニメ化すればいいんじゃね?80年台頃の、今の若者が知らないような・・・そうだ西部警察をアニメにしよう(錯乱

そういや「鬼平」のアニメ化の話があったな・・・

8 件のコメント:

  1. そうですね、最近は漫画作品の実写化がとんでもなく多いですな。
    特に最近はラブコメ漫画原作の実写映画がすごく多くて、友人たちの間じゃラブコメはもうお腹いっぱいという意見が女性含めて大半になりましたな。

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    1. この流れ、どこかで見たことがあるなぁと考えていたんだが、そうだ、ゲームだ。俺達はその場所を30年前に通過していた。名作マンガやアニメをゲーム化する際にネームバリューだけで客を釣ろうとしてるから中身は総じてゴミ、「キャラゲーに当たり無し」と言われる時代を生き抜いてきたんだ。今は随分マシになってきているから・・・30年後にはマンガ原作でも見れる物になってるかもしれないぞ!

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  2. あ・・・攻殻機動隊・・・。

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    1. あれの実写化はマトリクスの時点で止めておくべきだった。そう考えれば「バイオシリーズ」はまだ頑張った方だよな・・・

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  3. 初コメント失礼します。攻殻機動隊のPS版は難しいゲームですが、理不尽な難しさではなく楽しい難しさで雰囲気を損なわない良いゲームですよ。

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    1. 気分を害したなら申し訳ない。「その次代」はもう俺の中では「良くなってる」時代だ。ひどかったのは主にファミコン時代、バンダイの量産した角の丸いヤツだ・・・

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  4. 東映版のスパイダーマッは成功でしょうか?

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    1. 「何を持って成功とするか」でちょっと話は違ってくる部分だなwネタ的には成功していると思うし、あの時代は作品ではなく「スパイダーマン」ってキャラの権利を貸し出していたって背景もあって世界中で「その国のスパイダーマン」が生まれてるのよね。そんな「各国のスパイダーマン」を比較してみると日本版が最も出来が良いと評価されている。ただレオパルドンは蛇足だ。って意見が多いが、レオパルドンは大人の事情だわな。スポンサー様の「売る物」が無きゃ色々困る人が出てくるのが「商売」だしな・・・

      日本のアニメってすげえ!って世界に知らしめた「AKIRA」も興行的には大失敗で制作費すら回収できてないけど、元々予算とか気にせず凄えもん作ろうぜ!ってバブリーな企画だったので大赤字でも「成功」と言えるしな・・・ナウシカも本人が監督して尚、原作基準で言えば半分も回収できてない未完成品かつ、原作と全然違う物になってたが、アレはアレで成功だろう。

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